アライタ・アリ前ジブチ大使の松浦名誉会長表敬 | ルネサンス・フランセーズ 日本代表部 | La Renaissance Française au Japon

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アライタ・アリ前ジブチ大使の松浦名誉会長表敬

写真「松浦会長に著書を贈呈されるアライタ・アリ前駐日ジブチ大使」

 

615日午後、2021年に当代表部の駐日大使対談シリーズに参加されたアーメッド・アライタ・アリ(AHMED ARAÏTA ALI)前駐日ジブチ大使は、訪日された機会に松浦名誉会長を表敬訪問され、意見交換を行われました。

アライタ・アリ前大使は三代目駐日ジブチ大使として2008年から2021年まで勤務され、その期間中に自衛隊のジブチにおける拠点が開設されました。また、東日本大震災の際には、福島県南相馬市に対する支援を大使館として行われました。さらに、日本フランコフォニー推進評議会の設立メンバーとして、初代会長を務められました。現在ではアフリカ・ピア・レビュー・メカニズムで活動されるとともに、日本とジブチ、そして日本とアフリカとの関係強化に尽力されています。

 

アライタ・アリ前大使から以下の通り述べられました。

  1. 離任以来来日は2回目となる。昨年5月に叙勲のために訪日し、天皇陛下にも拝謁した。現在自分はアフリカ・ピア・レビュー・メカニズム(APRM)の賢人グループ(Eminent Persons)の東アフリカ代表にウガンダの女性議員とともに選ばれているが、APRMについて日本でもっとよく知ってもらうようにするのが今回の来日の大きな目的の一つである。自分たち賢人グループは国家元首によって任命され、ガバナンスの改善を目指して様々な国で評価を行う。自分も先般ギニアで評価を行い、大統領に報告書を提出した。APRMは事務局が南アに所在し、AUからの独立の度合いが大きくなっている。APRMの評価指針はTICADの目標やSDGsにも合致しているので、日本との連携の余地が大きのではないだろうか。
  2. また、現在自分の名前に因んだアライ・コンサルティングという会社を営み、さらに「Les années passées au Soleil Levant sous le drapeau de Djibouti(ジブチの旗の下、日の出づる国で過ごした歳月)」と題する著書を執筆した。著書執筆は日本との絆を保ちたいという気持ちとともに、日本とアフリカの様々な価値に光を当ててみたかったからである。TICADだけでなく、日本はアフリカにとってすばらしい見本であり、学校である。著書を是非和訳して日本の方々に読んでいただきたい。和訳本が出版の運びとなった場合には、自分から日本へのお返しの意味も込めてジブチに限らずアフリカで有意義な事業を行っている団体に印税を寄付することも考えたいと思っている。日本はアフリカに惜しみなく与えてくれているが、アフリカからも日本に何かもたらせるものがあるはずである。日本は色々といいことをしてもそれを言わなさすぎる。
  3. 自分が来た当初は「ジブチとは何か?」とよく聞かれたが、そのうちに「ジブチはどこにあるのか?」と聞かれるようになり、そして「ジブチはよいところだ」と言われるようになった。先般のスーダンからの邦人退避に際しても自衛隊の拠点の存在意義が再確認された。防衛大臣のところにうかがうと、東京・ニューヨーク・ジブチの時間にそれぞれ合わせた三つの時計があることをいつも非常に誇らしく思っていた。大塚駐ジブチ大使もよい仕事をしておられる。また、言うまでもないが、松浦名誉会長が駐ジブチ大使として、そしてユネスコ事務局長としてされたことはジブチでよく知られており、記憶されている。
  4. 自分の日本在勤中は文化交流にも力を入れ、高円宮妃殿下とともに駐日外交団の写真展(「Japan through diplomatic eyes」)の審査員を務めていた。妃殿下に「Africa through Japanese diplomatic eyes」という逆の企画を提唱させていただき、快諾いただいて実現の運びとなったが、一位は在ジブチ日本大使館であった。日本は大切なパートナーであるが、だからこそ日本でフランス語の普及を促進するのも大きな使命だと考えて同僚大使たちとともに日本フランコフォニー推進評議会の設立メンバーとなった。フランコフォニーは松浦名誉会長がユネスコ事務局長として推進された文化的多様性の観点からも重要。文化的多様性は、他者に対する受容、寛容の基本となるものである。そういう意味でルネサンス・フランセーズの活動も大変有意義なものである。日本に対するささやかな恩返しとして、ジブチにある自分の所有地に「ジャパン・シティ」をいつか作りたいと思っている。そこには石を使った日本庭園(ジブチでは庭園に水を使えない)、レストラン、日本語講座等を備えた日本の窓口と言えるようなものを設け、日本のビジビリティを高めたい。大阪万博に是非ジブチの参加も実現するよう願っている。また、これからは日本の対ジブチ投資が増えるようお手伝いしていきたい。
  5. 今朝、安倍元総理夫人にお目にかかってお悔やみを述べてきた。安倍総理の時代に大使として勤務できたのは幸いであった。同元総理はアフリカも重視されて大きな足跡を残された。ABEイニシアティブは各国で大きな成果をあげているし、日本からの支援も規模のみならず質の面でも充実してきている。自分もアフリカにおける日本のスポークスマンを務めていきたいと思っている。福島県を訪れてロータリークラブで講演するなど様々な友人の方々にもお目にかかっている。福島県については、2011年の震災後に自分たちジブチ大使館が南相馬を訪れた際、原発事故の関係で市役所に職員が一人しかおられなかったこと、学校の復興に協力し、ジブチの中学生も訪れたこと、ジブチの各州の代表が馬追に招かれたこと等思い出も多く、自分の離任前には日・ジブチ友好のモニュメントも建造された。

これに対し、松浦名誉会長よりアライタ・アリ前大使在勤中の業績に改めて敬意を表するとともに、自衛隊拠点の設置などもあって両国間の協力が双方向で進んでいるのは喜ばしい旨述べ、さらに日本・ジブチ間、日本・アフリカ間の関係強化の方途につき意見交換が行われました。(以上)

 

記事は同席しました当代表部 篠塚監事より写真と共に提供されました。

 

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